【企業研究】東宝の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年6月29日更新
はじめに
就活に必須なのは企業研究。
企業の理解を深めるために、就活中はぜひ取り組みたいものです。
今回研究を行うのは東宝。
東宝の就職難易度や採用大学、選考対策を徹底的に解説します。
東宝を志望している方はもちろん、映画業界に興味がある方もぜひ最後までお読みくださいね。
東宝の基本データ
はじめに、東宝の基本データを見ていきましょう。
会社名 | 東宝株式会社 |
設立年 | 1932年8月 |
従業員数 | 単体357人 |
売上高 | 654.57億円(2023年2月期) |
経営理念 | ◼︎パーパス 健全な娯楽を広く大衆に提供すること ◼︎バリュー 我々の享くる幸福はお客様の賜ものなり ◼︎モットー 朗らかに、清く正しく美しく私たちは、革新的なソリューションで、 人、社会、そして地球の心地よさが続いていく |
コーポレートスローガン | Entertainment for YOU ー世界中のお客様に 感動を |
福利厚生 | ・年次有給休暇(初年度10日、2年目18日、3年目以降20日) ・夏期休暇(5日間) ・結婚休暇 ・忌引休暇 ・生理休暇 ・あかちゃん休暇 ・積立休暇 ・育児・介護サポート ・東宝健康保険組合診療所 ・文体部 ・社宅補助 ・社会保険(健康保険、厚生年金、雇用保険、労災保険) ・退職金制度 ・確定給付企業年金 ・企業型確定拠出年金 ・積立貯蓄制度 ・従業員持株会 ・住宅資金融資 ・スポーツ施設補助制度 ・旅行補助制度 ・カフェテリアプラン ・職場厚生行事補助制度 |
引用元:東宝採用サイト
事業内容
続いて、東宝が取り組む事業内容を見ていきましょう。
映画
東宝の事業の要とも言える映画事業では、映画の企画・製作をはじめ、配給や興行など、映画に関わる業務を広く担当します。
実写映画やアニメーション映画の企画を行う東宝では、監督・脚本家などのスタッフィング、出演者のキャスティング、脚本制作なども担当します。
映画制作には様々な企業の出資が必要なほか、映画が完成したあとも映画館への営業を意味する配給や、世の中に広く映画を知ってもらうための宣伝活動をしなければなりません。
これら全てを東宝内で担いながら、日々世の中へ映画を届けているのです。
アニメ
アニメの企画・製作を担当するToho animationは、社内ベンチャーの位置付けで映画やTVシリーズのアニメの企画を行なっています。
アニメの製作関連の業務はもちろん、総合的な作品プロデューサーとして、宣伝や販促はもちろん、どうしたらアニメの収益性を高められるかということを追求しています。
また、TOHO Gamesというレーベルの元、スマートフォンゲームのタイトル展開もしています。
タイトルの中心となるのはToho animationで展開されているアニメで、ゲームがローンチした後もキャラクターやシナリオなども総合的にプロデュースしている点が特徴です。
演劇
東宝では、ミュージカルやストレートプレイといった、幅広いジャンルの演劇を企画しています。魅力的な海外作品の日本における舞台化権交渉なども積極的に行われています。
また、帝国劇場とシアタークリエという2つの直営劇場を持っているため、劇場管理も行っています。
作品のグッズやパンフレット製作なども担当しており、演劇に関しても総合的なプロデュースを行なっていることが分かります。
不動産
日比谷シャンテや有楽町マリオンをはじめ、東宝では全国に120もの不動産を所有しています。
シンプルな不動産会社と異なるのは、映画や演劇、アニメーションなどのコンテンツと連動した不動産戦略がある点です。
エンターテイメント企業としての特性を活かしたまちづくりを行いながら、所有物件の再開発やリニューアルも積極的に行っています。
募集職種
では、新卒ではどのような職種を募集しているのでしょうか。
東宝では、新卒は総合職採用となります。
入社時は総合職ではあるものの、適性や能力に応じて、その後映画や演劇、アニメや不動産経営、企画・製作、営業、宣伝、管理などの職種に配属されます。
ジョブローテーションがあるため、いずれ自身の希望業務に就くことも可能です。
新卒給与は230,600円(固定手当25,000円を含む)です。
賞与は年に2回、6月と12月に支給されます。
なお、配属地は東京とは限らず、事業所や大阪や名古屋、福岡にあるグループ会社に出向する可能性があります。
新卒選考フロー
東宝の選考フローは以下です。
WEBエントリー
WEB上で必要事項を入力しエントリーを行います。
エントリー完了後、マイページのユーザーIDとパスワードが案内されます。
↓
エントリーシート適性検査
その後、WEBエントリーシートの提出と、WEB適性検査の受検を行います。
加えて、学業成績の登録も行います。
↓
面接
面接は複数回実施され、いずれも個人面接で実施されます。
↓
内々定
全てを通過すると内定となります。
特徴的な点として、学業成績を提出をエントリー時に求めることが挙げられます。
学業成績も選考上で一定考慮されることが予想されるため、日頃から学業にしっかり取り組んでおくことが大切です。
インターン
東宝のインターンは、現時点では2025年卒版の情報が公開されていません。
そのため、参考までに2024年卒版を見ていきましょう。
形式 | オンライン2day仕事体験 |
開催日程 | 9月14日(水)~15日(木) |
募集コース・人数 | 計60名程度 ・映画コース(20名程度) ・演劇コース(15名程度) ・不動産コース(10名程度) ・アニメコース(15名程度) |
体験できる職種 | 宣伝・広報、企画・商品開発 |
会える現場社員 | 部長・課長など管理職、主任・チームリーダーなど中堅社員、 若手社員・新入社員 |
実際の業務を体験しながらグループワークなどを通じて、東宝への理解をさらに深めることができる内容になっています。
応募締め切りは開催日の2週間前くらいに設定されているため、興味がある人は一度応募してみてはいかがでしょうか。
インターン選考の流れ
インターンの選考は、下記のような流れになっています。
インターンシップ説明会(WEB)
↓
適性検査受験(WEB)
↓
1次選考:デザイン思考テスト
↓
2次選考:動画選考
↓
参加決定
これまでは全編オンラインでの選考設計でしたが、2025年卒版以降は変更になる可能性があります。情報をしっかりチェックし、しっかり対策を行いましょう。
社風
幅広い業務を限られた人員で行う必要があるため、年齢に関係なく自走できる人が求められる環境です。ただし、若いうちから幅広い業務を任されるため、経験を積むという点では非常に良い環境でしょう。
部署同士のつながりがしっかりあり、風通しが良い職場のため、穏やかな気持ちで働くことができる環境があるのも特徴です。
モットーにもある「清く正しく美しく」の精神は日々の業務にも活かされており、「正しいこと」がしっかり受け入れられる環境がある点を、特に気に入っている人も多いようです。
求める人材
東宝では、求める人材を以下のように定義しています。
プロフェッショナル志向 | 映画や演劇は私たちにとって商品です。 「お客様が求めているものは何か」「どのような作品やサービスがお客様の心を動かすのか」それを考え抜き、企てることを楽しめる人を私たちは必要としています。 また、その企てを事業として成功させるためには、現実的に、根気強くやり抜く覚悟が必要です。映画・演劇への愛や夢を持っていることと同じくらい、「たくさんのお客様に楽しんで頂くことで、映画・演劇ビジネスを成功させたい」という「プロフェッショナル」としてのマインドが重要です。 |
引き出しとアンテナ | お客様の心を動かす新たな作品やサービスを企てる上では、「好奇心」が大切です。好奇心旺盛な人とはすなわち、情報の「引き出し」を多く持ち、興味の「アンテナ」を広く張っている人だと私たちは考えます。 見聞きし経験したことを、自身の中で情報としてたくさん蓄積し、必要に応じてそれらを引き出せること。また常に感度高く世の中のあらゆる物事に興味・関心を持つこと。 豊かな「引き出しとアンテナ」が、お客様の心を震わせる作品やサービスを創造するために必要な源泉であると考えます。 |
プロデュース能力 | 新たな作品やサービスが生まれる場には、必然的に社内外のリソース(人・モノ・お金)が集まります。そのリソースを最大化させるためには、広い視野で調整・交渉・問題解決できる能力が大切です。任された仕事に対して真摯に向き合い、時に柔軟に、時に粘り強く、強い心でリーダーシップを発揮すること。それが私たちの考える「プロデュース能力」です。 作品企画や宣伝の職種に限らず、どのような仕事においても「プロデュース能力」を発揮することが求められます。 困難な問題や、複雑な折衝に直面した際に、周りに助けを求めながら、諦めることなく「プロデュース能力」を発揮できる方は、当社の仕事を通じて大きく成長することができる人材だと考えます。 |
自分を磨く力 | 私たちが皆さんに期待をしているのは、「即戦力」ではなく「成長力」です。 新しい知識・未知の経験をポジティブに吸収し、自分の武器を増やしていく。今の自分に固執せず「もっと成長したい」という向上心を持った方を、私たちは歓迎します。 映画・演劇業界を取り巻く環境は、日々めまぐるしく変化しています。東宝が新たな価値を創造し続けるためには、自身の変化を恐れず、自分を磨き続けることができる人材が必要です。 |
出典:東宝新卒採用ページ
上記4つのキーワードは、「東宝らしさ」を体現するために設定されています。
「東宝らしさ」は2つあり、ひとつは「東宝の掲げる使命・価値観・理念に共感し、行動していること」、もうひとつは「東宝というフィールドで自分自身を高め、成長する力を持っていること」です。
日々めまぐるしく状況が変わる映画業界だからこそ、自らが主体的に成長し、行動していけるような人材を求めているのです。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
では、映画業界内では東宝はどのような立ち位置なのでしょうか。
映画業界の大手3社と言われる東映、松竹との比較から見ていきましょう。
会社名 | 東宝 | 東映 | 松竹 |
売上高 | 654.57億円(2023年2月期) | 117,539,000円 (2022年3月期) | 78,212,000円 (2023年2月期) |
平均年収 | 8,977,503円 | 8,469,414万円 | 7,980,155万円 |
就職偏差値・ 難易度 | 60 | 高い | 58 |
社風 | ・自律的に働ける人が活躍できる ・若いうちから責任感ある仕事を任せられる | ・明るい社内の雰囲気 ・若手が活き活きと働いている | ・歌舞伎事業を展開しているため、日本文化に思いがある人が多い ・伝統を重んじる |
就職偏差値:就職偏差値ランキング委員会
売上から分かるように、東宝は映画業界最大手と言って問題ないでしょう。
事業の柱をひとつに絞っていないことに加え、「東宝だから」こそ実現できるエンターテインメントを確立している点が、一強と呼ぶに相応しい理由です。
海外作品の日本展開をはじめ、今後はアニメにも力を入れていくことを発表していることから、ますます日本国内での存在感が高まることが予想されます。
他の会社や他業界の就職偏差値についても知りたい方は、ぜひ下記の記事をご確認ください。
【24卒・25卒最新版】文系・理系・公務員別就職偏差値・難易度ランキング
採用大学
東宝は毎年の採用人数が10名前後のため、入社は非常に狭き門であることが分かります。また、「求める人物像」にもあったように、入社してほしい人物像が明確なため、学歴ではなく人柄で判断することが多いようです。
<過去採用実績がある大学>
早稲田大学、慶応義塾大学、青山学院大学、中央大学、立教大学、東京芸術大学、成城大学、日本大学、京都大学、上智大学、学習院大学、ICU、法政大学、東京大学、大阪大学、明治大学、東京外国語大学
参考:Unistyle
早慶上智やMARCHなどに限定せず、日東駒専を含む広い採用実績があることが分かります。自身の学歴に自信がない場合も、まずは積極的に応募を検討してみてはいかがでしょうか。
東宝のホットニュース
では最後に、注目すべき東宝のホットニュースを見ていきましょう。
アニメ事業を第4の柱へ
東宝が今後注力領域として掲げているのが「アニメ」です。
2022年に掲げられたこの方針に則り、東宝はアニメ事業の拡大を積極的に行っています。
アニメはもはや日本市場ではなく、海外市場をターゲットにできる将来性が高いコンテンツです。このコンテンツに積極的に投資していくことで、今後のさらなる事業拡大を目論んでいます。
アニメは日本国内でも、新型コロナウイルス感染症拡大による「自宅籠り」の影響で急速に需要を拡大しました。今後はアニメと連動したイベントやグッズ企画などの総合プロデュースを通じて、より強固な第4の柱として機能していくことでしょう。
デジタルコンテンツの開拓
デジタルコンテンツは今やマーケティングや映像配信上、必要不可欠です。東宝も世の中全体に広がるデジタルコンテンツの波に乗り、ビジネスへの積極活用を狙っています。
今後は配信プラットフォームの販売やECサイトの拡充、モバイルコンテンツへのさらなる投資や、メタバース領域への挑戦などを通じて、既存の東宝コンテンツとのミックスによる事業拡大を狙います。
東宝の企業研究を就活に生かそう!
いかがでしたか?
本記事では、東宝の就職難易度や採用大学、選考対策を徹底的に解説してきました。
東宝は、映画業界の中では最大手です。
近年は事業領域拡大に伴い、中途採用を強化している動きが見られますが、そのような環境に新卒で飛び込むことができれば、自身の成長は約束されたも同然です。
東宝に興味がある方は、まずは東宝が提供する様々な映像コンテンツの確認から始めてみてはいかがでしょうか。