【企業研究】九州電力の就職難易度・採用大学・選考対策を徹底解説
2023年9月30日更新
はじめに
九州電力(九州電力株式会社)は、九州地方を中心に電力関連の事業を展開する企業です。九州で電気事業が始まった明治から現在に至るまで、地域のエネルギー供給を力強く支えてきた老舗であり、就活生からも大きな人気を集めています。近年は子会社を通して九州以外の地方にもエネルギー供給の範囲を広げたり、新しい分野に事業を拡大したり、未来を見据えた挑戦的な活動も多く見られます。
本記事はそんな九州電力の企業研究記事です。事業内容や売上高・社風など企業の基本情報の他、新卒選考フローや求める人材像、就職偏差値、採用大学など、選考対策に役立つ内容も紹介します。
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電力業界
九州電力が属する電力業界は、発電を行い、家庭・事業所など必要とする施設に電力供給をする企業が集まる業界です。生活や産業に欠かせないエネルギーを司る業界であり、インフラ業界の中の一部でもあります。
電力業界以外の業界については、以下の記事で概観しているので、ぜひ読んでください!
事業内容
それでは、九州電力(及びグループ内)で主に行われている事業の内容を見ていきましょう。発電や電力の販売の他、電力会社として培ってきた技術やノウハウを活かしたユニークな事業も展開されています。
発電事業
九州電力の主たる事業が発電事業です。原子力発電・火力発電・再生可能エネルギーなど、多様な発電によって電力をつくっています。原子力発電は、玄海原子力発電所・川内原子力発電所の2箇所に発電所を保有。原子力発電の安全に向けた取り組みとして、安全対策や運用体制の充実、各種訓練の実施、災害ゼロに向けた取り組みなど、さまざまな角度からの対応を常時行っています。
火力発電は、新小倉・苅田・豊田など九州内に6箇所の発電所を構えている状況です。また、九州電力グループは地熱発電において国内の約4割をシェアしており、再生可能エネルギ―関連の施設保有量も国内3位になっています。
電気・ガスの小売事業
発電した電力や製造したガスを、個人・法人向けに販売する小売事業も主要事業です。なお、九州電力グループ内にある「九電みらいエナジー」において、九州を中心とした再生可能エネルギー発電事業を行っており、電力の販売エリアは首都圏など他地域まで広げています。
その他事業
九州電力は、その他事業として、さまざまな新規プロジェクトを起ち上げています。例えばオール電化機器や蓄電器を初期費用0円でリースする「九電スマートリース」、各種スキルの講師と学びたい生徒をマッチングする「おけいこタウン」、マンション入居者専用カーシェアリングサービス「weev」、豊前地域の地下水・海水を利用したサーモン養殖「みらいサーモン」などがあります。エネルギー供給だけでなく、社会の課題解決を通して未来を明るくしていきたいという方針のもと、イノベーションを意識しながらバラエティ豊か活動を展開中です。
参考:九州電力 事業概要
新卒選考フロー
九州電力の基本的な新卒選考フローは次の通りです。なお、九州電力の新卒選考には事務・技術職があり、各職種の中でまた細かく部門が分かれていますが、複数の職種・部門を掛け持ちで応募することはできません。また、高卒や高専卒の場合は、大卒・大学院卒の新卒選考フローによらない場合があります(学校などに相談が必要です)。
WEBからエントリー
まずはWEBからマイページのエントリーを行います。九州電力の採用ページか、就活情報サイトから登録を進めます。エントリー登録が完了したら、マイページのアドレス・ID・パスワードなど、マイページを利用するために必要な情報が届きます。
エントリーシートの入力
マイページからエントリーシートを入力します。エントリーシートはマイページ内の所定様式のみです。郵送や持ち込みなど他の提出方法は認められていないので気を付けましょう。
エントリーシートでは、周りの人と協力して何かを成し遂げた経験や、今まで自分が最も熱意をもってチャレンジしたことなどに関する質問があるようです。
基礎能力検査
エントリーシートへの入力が終わったら、基礎能力検査の受検が案内されます。形式はSPIで、非言語・言語・性格検査などが行われるようです。
面接
最後に面接が実施されます。面接は1次・2次・最終の3回ほど行われますが、応募した職種や選考の状況によって、回数が1回など変わることもあるようです。なお、面接では志望動機やこれまでの人生経験などに関する質問が、エントリーシートに添った形で行われるようです。
参考:九州電力 募集要項
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社風
ここからは、九州電力の社風における主な特徴を紹介します。
年功序列の保守的な雰囲気ながら意見を聞く空気はある
九州電力には日系企業によく見られる年功序列が根強くあるようです。縦割りが基本で、上意下達の職場だとの声がよく聞かれます。ただし、そのような仕組みが合う人や受け入れられる人が多く集まっていることから、おおむね摩擦などもなく業務が回っているようです。また、縦割りの職場は下の言うことを上があまり聞いてくれないというイメージがあるかもしれませんが、九州電力の場合は話や意見をよく聞いてくれて、上司の理解が得やすいということも、社内の良い雰囲気をつくっている要因です。
真面目で人柄の良い社員が多い
九州電力の社員には真面目で人柄が良い人が多いと言われています。地域でも特に知名度の高い企業であり、また地域貢献に大きく関わる存在なので、大手企業の自覚を持って働いている社員が多いのだと考えられます。また、横の連携が強く、社員同士のコミュニケーションの距離感が近いことも特徴です。社員の交流を深める社内行事が多く催されています。
求める人材
九州電力は採用メッセージの中で、九州電力の思いを実現するため、九州電力の掲げるスピリットを意識しながら、業務遂行能力や組織への貢献力を高め、成長していける人材像を目指すと述べています。
九州電力の思いとは、事業内容の項目でも少しふれた通り、未来をずっと先まで明るくしていきたいというものです。それは、エネルギーの供給を持続するという意味はもちろん、自分達がイノベーションを起こし、社会に貢献できる活動を行っていくということでもあります。この思いを叶えるため九州電力では、あらゆる人の立場で考えることや倫理の重視、使命感の堅持、お客様志向など意識すべき5つのスプリットを設定しています。
また、九州電力の目指す姿を実現するためには、組織のビジョンに共感・理解を示し、業務遂行に向け自ら考え動くこと、常に組織を意識して、チーム全体のクオリティを高く維持しながら働く人材が不可欠です。
参考:九州電力 採用メッセージ
自分の強みや、企業の望む人材像と比較したときの適性に関しては、なかなか言葉にできなくて難しいですよね。以下の記事などを参考に訓練してみてください。
就職偏差値・難易度および業界での立ち位置
会社名 | 売上高 | 平均年収 | 就職偏差値・難易度 | 社風 |
九州電力 | 2兆2,213億円 | 766万円 | 66 | 年功序列だが意見は言いやすい |
東京電力 | 7兆7,986億円 | 815万円 | 60 | 真面目で堅実 |
関西電力 | 3兆9,518億円 | 856万円 | 68 | 保守的だが風通しは良い |
財務情報の比較(売上)
今回九州電力の比較対象としたのは、国内で売上高トップの東京電力、九州とエリアが近く近畿地方の電力供給を担う関西電力です。東京電力は国内のシェアでも群を抜いており、常にトップの位置にいます。次いで関西電力、九州電力は5番手辺りにいます。なお、燃料費高騰の影響などを受け、3社の2022年度の売上高はいずれも前年度を大きく上回っています。ただし、事業に必要な燃料価格の上昇や、原発稼働の減に起因する燃料費の増加などから支出もアップしており、最終的には赤字になっている状況です。ただし電力会社では、2023年度は燃料費高騰の沈静化や原発稼働率の回復などにより、業績が再度上向きになると見ているようです。
社風の比較
こちらに挙げた大手電力会社を始め、電力業界に共通してよく見られる社風がいくつかあります。1つは社員に真面目で堅実なタイプの人が多いことです。電力は今や人間の生活になくてはならないエネルギーであり、ひとたび供給が絶たれてしまうと、生活や産業など幅広い部分に甚大な影響が発生します。非常に重要性の高いエネルギーに関わる仕事に携わっているという自覚を持っているからこそ、真摯に業務に向かう人が多いと考えられます。
また、保守的・縦割り的な仕組みが根強く残っている企業が多いことも特徴です。電力は持続して安定的な供給が望まれるものであり、1つのミスが広範囲に影響を及ぼすリスクをはらんでいます。このように、常に緊張感をもって取り組まなければならない事業であることから、失敗を恐れ挑戦しない、これまで成功してきた方法を優先したがる空気があるのです。なお、九州電力に関しては電力会社の中では比較的アグレッシブに新しい分野を開拓していくタイプだと言えます。縦割り感はありますが、新しい意見は発信しやすい社風です。
社員同士のコミュニケーションがとりやすく、風通しが良いことも、電力業界の社風の特徴と言えます。電力事業は業務の重要性や司る規模があまりにも大きいため、個人の業務でどうこうできるレベルになく、組織が一丸となって事業に取り組むことが不可欠です。そのため、組織内での連携を重視しており、それが良好なコミュニケーションを生んでいると考えられます。
就職偏差値
大手電力会社の就職偏差値は基本的に高く、採用への道は難関だと言えます。その中でも特に採用獲得が難しいと言われているのが、関西電力です。関西電力は関西圏の学生から特に人気が高い企業で、関西の難関大学からも多数の学生が応募します。関西電力は毎年少しずつ平均年収が上がってきており、給与が高水準にあることも人気の理由と言えるでしょう。九州電力も九州エリアの大学に通う学生の応募が多く見られ、就職偏差値も高めです。このように、地域に根付いた電力会社は、その地域の学生からの応募が多く、また業務の特性として、地域に精通している人材も望まれるであろうことなどが、就職偏差値の高さに影響していると考えられます。
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採用大学
九州電力で採用実績のある大学の例は次の通りです。
青山学院大学、大分大学、大阪大学、大阪府立大学大学院、岡山大学、鹿児島国際大学、鹿児島大学、九州工業大学、九州大学、京都大学、熊本大学、慶應義塾大学、高知工科大学、神戸大学、佐賀大学、上智大学、西南学院大学、中央大学、筑波大学、東京大学、東京理科大学、同志社大学、長崎大学、日本大学、一橋大学、広島工業大学、広島大学、福岡大学、法政大学、宮城大学、宮崎大学、明治大学、山口大学、横浜国立大学、立命館大学、早稲田大学 など(五十音順)
採用大学を見ると、首都圏や関西の難関大学・有名私大などの実績もありますが、基本的には幅広い大学から学生を採っているようです。採用者数が最も多いのは九州大学。また、採用大学のエリアとしては、やはり九州電力の営業地域である九州地方からの採用が多く目立ちます。学歴フィルターは存在しないと考えられますが、九州について知識や居住経験など理解が深い分、九州にある大学の学生はやや有利かもしれません。
大型オフィスビル建設など多様な事業に注力
2023年9月、九州電力はふくおかフィナンシャルグループと共同で、福岡市に大型オフィスビルを建設する計画を発表しました。市内の渡辺通りに既に建っている電気ビル本館(九電本店が入っています)の隣に建設予定で、電気ビルと合わせて再開発を行います。九州電力は不動産事業の収益拡大にも注力中です。この大型オフィスビル建設も、博多駅とアクセス良好な立地がオフィス需要を盛り上げるなど判断したと考えられます。次々と新規事業や事業拡大に打って出る九州電力。今後も事業規模がさらに大きくなっていけば、社員の業務もどんどん幅広くなっていき、今以上に多様な分野にチャレンジできるかもしれません。
まとめ
九州電力は、九州地方のインフラを支えつつ、新しい分野にも積極的にチャレンジしていく、活動的な企業と言えます。社会貢献への意識も非常に高いため、仕事を通じて世の中を支えたいと考える学生にもマッチしやすいでしょう。九州地方の学生を中心に就職先としての人気も高く、就職難易度も高いため、採用を獲得するためには十分な選考対策が必須です。ぜひ今回の記事を参考に九州電力の企業研究を進め、応募を検討してみてください。
本記事で名前の挙がっていた企業についても、企業研究記事があります。これらの記事もぜひご確認ください。
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